「派遣だとキャリアアップが難しいのではないか」
このようにお悩みの方はいらっしゃいませんか。
実は、派遣社員であってもキャリアアップの可能性はあります。
これから派遣で工場に勤務予定の方に向けて、今回は派遣引き抜きの可能性とその方法について解説します。
□派遣会社との契約期間満了後の引き抜きは違法ではない
引き抜きとは、派遣会社を通さず、派遣先企業が直接雇用したいと提案して応じることを指します。
派遣社員であろうがなかろうが、一企業でしっかりと働いて活躍し、有能さを示すことができれば、雇っている側は誰でも引き抜きたくなるものでしょう。
そして、その引き抜きは違法ではありません。
引き抜く側の企業にも、引き抜かれた派遣社員にも何の罪もありません。
なぜなら、法律で職業選択の自由が規定されているからです。
労働派遣法第33条では、派遣労働者にかかる雇用制限の禁止を定めています。
派遣会社との雇用関係が終了した後、契約期間満了後であれば、派遣先から直接雇用されることについて派遣会社は禁止できません。
ここで1つ押さえておいてほしいのが、契約期間満了後であれば「引き抜く側の企業」には何の問題もありませんが、契約期間中に引き抜きが発生した場合は、派遣会社に違約金や紹介手数料を払わないといけないことがあるので注意しましょう。
派遣社員、つまり「引き抜かれる社員」には問題は発生しないのでその点は安心してください。
□派遣から直接雇用になるメリットについて
派遣から直接雇用になると、さまざまなメリットがあります。
まずは、収入が安定しやすくなります。
派遣は、仕事によっては収入状況が大きく変動します。
もちろん直接雇用の場合でも業種によっては変動がありますが、基本的には直接雇用は不況の際に「守られる」側に入るので、安定感はあるでしょう。
さらなるメリットとして、待遇が良くなる可能性があります。
派遣労働者の場合は定められた通りの待遇ですが、直接雇用であれば、雇用先の人事評価制度に応じて収入をさらに増やせたり役職を昇給させたりできるかもしれません。
ボーナスや賞与支給の対象者にもなるため、さらなる経済的余裕が期待できるでしょう。
最後に、雇用が安定するということです。
派遣契約のように、雇用期間は定年退職を迎えるまで定められていません。
終了期間を気にすることなく仕事に集中できて、派遣契約終了時期に新たに仕事を探す必要もなくなるでしょう。
そのため、安心して働けます。
□引き抜きのデメリットと注意点について
もちろん、引き抜きに関してはメリットばかりではありません。
注意しておいてほしいことが3つあります。
まずは、雇用形態が正社員とは限らないことです。
直接雇用と聞くと、正社員を想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、すべてがそうではありません。
派遣先からの引き抜きの場合、まずは契約社員からの雇用が多いのが実情です。
しかし、正社員登用ももちろんあるので、しっかりと雇用形態を確認するようにしてください。
そして、次に気をつけてほしいポイントが、給料が下がる可能性があるということです。
派遣されて働いていた時よりも、場合によっては給料が下がる可能姓があります。
引き抜く側の企業は、そもそも派遣社員の給料がいくらになるのかを詳細まで把握していません。
なぜなら、雇用契約を派遣社員とは直接結んでいないからです。
最後に押さえておいてほしいのは、契約社員の待遇についてです。
例えば、契約社員だと賞与がない、退職金がない、契約期間が決められているなど、派遣社員と条件がほとんど変わらない場合があります。
労働基準法の改正によって、契約社員は5年働くと無期雇用に変更できるようになりました。
派遣社員から、今度は派遣先の企業で「派遣社員のような契約社員」になってしまう場合もあるので注意しましょう。
□まとめ
今回は派遣で働く方に向けて、工場勤務からの引き抜きの可能性とその方法について解説しました。
ぜひ、参考にしてみてください。