皆さんは「無期雇用」という言葉はどのような意味を持っているのかご存知でしょうか?
今日までは、無期雇用は正社員と考え方が一般的でした。
しかし、労働契約法が改正されることによって、契約社員や派遣社員でも、条件を満たすことで「無期雇用」に転換できると新しい制度に変わったのです。
そこで今回は、「無期雇用とは何なのか」と「労働契約法が改正されると何が変わるのか」について解説していきたいと思います。
□そもそも「無期雇用」って?
無期雇用に転換するためにはどのような条件が必要になるのかについて考える前に、そもそも「無期雇用」ってなんことだろうという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
無期雇用とは、簡単に言うと「期間が定められていない雇用」のことです。
一般的には、定年まで勤めることができる正社員の雇用のことを無期雇用と呼んでいました。
しかし、現在では、契約社員や派遣社員でも条件を満たすことで無期雇用の契約を結ぶことができるようになったのです。
無期雇用とは反対になる「有期雇用」のことも簡単に説明したいと思います。
有期雇用とは、契約社員や派遣社員のほかに、日雇いや期間工などといった雇用期間が決められている場合の雇用のことです。
ここで、無期雇用といわれる「正社員」と有期雇用といわれる「契約社員」にはどのような違いがあり、メリットやデメリットがあるのか気になった方もいらっしゃるでしょう。
□「正社員」と「契約社員」の違いって?
正社員とは、企業から正規雇用として雇われている社員のことをいいます。
労働基準法では、正社員に関して定義はされていませんが、前述したように無期雇用での契約をしている場合は正社員と呼ばれます。
正社員のメリットとしては、賞与や昇給があり、月ごとに給料が支払われるということで、安定した生活を送れるということがあります。
また、福利厚生などの制度も充実していることが挙げられるでしょう。
契約社員とは、雇用期間が決められている労働者のことをいいます。
雇用を継続するために、雇用期間が終了するたびに契約更新が必要になり、もしできなかった場合を考えると、生活が送れなくなるというリスクがあります。
契約社員のメリットとしては、期間を限定して働きたい場合や比較的自由で自分に合った働き方ができるというメリットがあります。
デメリットとしては、やはり給与面や待遇面では、正社員に劣ってしまうということです。
□労働契約法が改正されると何が変わる?
では、「労働契約法」が改正されると何が変わるのだろうかという思いをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
労働契約法が改正されることによって、次のような雇用のあり方に変わります。
「無期労働契約への転換」
無期労働契約への転換は、有期労働契約が繰り返し更新されて5年を超えたときに、労働者が申し込むことで期間の定めがない無期雇用、つまり無期労働契約に転換できるということです。
契約社員などの「有期労働契約」から無期雇用といわれる「無期労働契約」へ申し込む際には、次のような条件が必要になります。
*「同じ企業との間で5年を超えて有期労働契約を反復して、締結や更新を行っていること」
*「労働者自身が無期雇用への転換を申し込みすること」
これらの条件に当てはまり、申し込みした場合には、会社側に拒否権はありません。
しかし、申し込みが終わったからといって、すぐに無期労働契約に変わるということはなく、次の契約更新のタイミングで無期労働契約となるのです。
□最後に
今回は、「無期雇用とは何なのか」と「労働契約法が改正されると何が変わるのか」について解説していきました。
この記事を参考に、労働契約法が改正されることによって何が変わったのかを把握し、無期雇用の転換の申し込み条件に自分はあてはまっているのか、是非一度確認してみてくださいね。