「派遣で働きたいが、新しい環境でトラブルが起きないかどうか不安だ」
このようにお悩みの方はいらっしゃいませんか。
派遣として働く方がよく抱える問題として挙げられるのが、契約内容外の仕事を頼まれることです。
今回は、その対処法について解説します。
□契約外の仕事は断るべき理由
基本的には、派遣社員が業務外、契約内容外の仕事を依頼された場合は断るべきです。
ここでは、3つの理由を紹介します。
まず1つ目の理由は、法律違反に該当するからです。
派遣社員は派遣先の指示に従って仕事をしますが、派遣先は労働者派遣契約で定めた範囲を超えるような指揮命令権を付与されたわけではありません。
派遣労働者の契約内容や労働内容は、就業条件明示書に記載される必要があります。
もし契約内容外の仕事を頼まれる、あるいは仕事内容が違った場合は、派遣社員は労働基準法第15条の2項によって、派遣元との労働契約を解除できます。
2つ目の理由は、契約内容外の仕事を引き受けて損害を与えてしまった場合、より問題が複雑化するからです。
派遣社員が契約書に記載されていない業務を勝手にしたと言われる可能性があるなど、様々なトラブルにつながることもありますので、注意してください。
契約内であれば派遣先の責任になりますが、契約外になると責任の所在が曖昧になってしまい、問題がさらに複雑化します。
事態によっては、問題が派遣会社に波及し、責任追及される可能性もあるので注意しましょう。
派遣会社によっては「契約外の仕事は絶対に引き受けないようにしてください」と厳重に呼びかけているところもあるぐらいです。
3つ目の理由は、他の派遣社員にも影響する可能性があるからです。
もし契約外の仕事を引き受ける派遣社員が自分だけの場合、そこまで問題になりません。
しかし、派遣社員で成り立っているような環境で、契約外の仕事をしてしまうと少し問題は複雑化します。
自分が引き受けてしまうと、他の派遣社員も引き受けないといけないような同調圧力が働いてしまって、職場環境の悪化にもつながりかねません。
□契約外業務の断り方
契約外業務を依頼された場合に取るべき行動がいくつかあります。
ここでは、その方法について解説します。
*指揮命令者に頼ってみる
いくら派遣の仕事とはいえ、そういった仕事でも人間関係を基に成り立っています。
派遣契約の事情を知らないような社員の方に、契約内容外の仕事を頼まれた場合は、指揮命令者の方に相談してみましょう。
頼んできた社員の方には、派遣社員には優先業務があることを伝えたうえで、必ず指揮命令者に確認を取るようにしましょう。
指揮命令者に相談することで、トラブルにもなりにくく、丁寧に断われます。
*派遣会社に頼ってみる
指揮命令者が取り扱ってくれないときや、頼りにならなかった場合は派遣会社に相談するようにしましょう。
派遣社員の業務内容は、派遣会社との間の就業明示書で規定されています。
つまり、派遣先の企業がその契約内容に新たに業務を追加するようなことはそもそもできません。
普通の派遣会社であれば、派遣先企業へ契約内容外の仕事を依頼しないように伝えてくれるので、派遣会社に相談してみるのも1つの方法です。
□人間関係を悪化させずに断る方法
このように契約内容外の仕事を依頼されたときは、しっかりと断るべきですが、人間関係を気にしてしまって上手くいかない場合があります。
まずは、一番壊したくない人間関係は誰なのかについて考えるようにしましょう。
また、変に人間関係を気にしてしまうのではなくて、笑顔できっぱりと断るのがおすすめです。
後は上述したように、派遣社員だからできない旨を、頼んできた方に伝えることが重要です。
□まとめ
今回は、契約内容外の仕事を頼まれた場合にどうするべきかについて解説しました。
派遣をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。