派遣社員の残業の有無について気になっている方はいませんか。
派遣社員は自分に合った条件の仕事を選べるのがメリットなので、残業をする必要があるかどうかは事前に把握したいですよね。
実は、残業の有無は派遣会社との契約内容によって異なります
今回は、派遣社員の残業や残業代の計算方法について解説します。
□派遣社員の労働時間について
実は、労働基準法により、1週間で40時間、1日8時間以上は従業員に労働させてはいけないと定められています。
これは、正社員、派遣社員、パート、アルバイトなどの雇用形態によらず適用されます。
ただし、休憩時間はこの労働時間には含まれません。
例えば、9時から18時までの9時間勤務していたとしても、間に1時間の休憩がある場合は、労働時間が8時間となります。
もし1週間で40時間、1日8時間以上の時間外労働がある場合は、残業と見なされます。
残業時間分は、残業手当と呼ばれる特別に割り増しした給与を会社が支払う必要があります。
□派遣社員の残業の有無について
ワークライフバランスを重視したい方は、残業を頼まれても断りたいと思うかもしれません。
しかし、残業を断れるかどうかは派遣会社との契約内容によって異なります。
納得のいく仕事を探すためにも、事前に把握しておきましょう。
*残業を拒否できる場合
残業を断れる場合というのは、就業条件明示書(労働条件通知書)に残業に関する規定が明記されていない場合です。
就業条件明示書とは、派遣会社から発行される契約内容を示した書面のことで、一般的には勤務時間、休憩時間、派遣社員として働く期間、残業の有無に関して記載されています。
残業をなるべくしたくないという方は、この就業条件明示書に残業をする義務に関する記載があるかどうかを確認しましょう。
また、派遣会社と派遣社員が労働基準法36条の協定を結んでいるかどうかも確認する必要があります。
この協定が結ばれていない場合は、会社が契約社員に対して残業を命令できません。
労働基準法36条の協定とは、「時間外・休日労働に関する協定届」のことで、1週間で40時間、1日8時間以上の労働をさせる場合は派遣会社と派遣社員が必ず締結することが必要な協定です。
*残業を拒否できない場合
派遣会社で労働基準法36条の協定が締結されている場合は、法律上でも残業の命令が認められています。
さらに、就業条件明示書に残業をする義務に関する規定が明記されている場合には、基本的に残業を断れないと思っておいた方が良いでしょう。
この場合に、残業を拒否すると、派遣先の会社や派遣会社からの信用を失う恐れがあります。
ただし、残業時間の上限が明確に定められている場合がほとんどなので無制限に残業をする必要がある場合は少ないでしょう。
例えば、残業時間が1日3時間、1ヶ月40時間以上を超えてはいけないという規定がある場合は、それ以上の時間、残業させられることはないでしょう。
□残業代の計算方法
残業を行った場合は、その時間に応じて残業手当を会社に請求できます。
正当な給与を請求するためにも、残業代の計算方法を把握しておきましょう。
残業時間分は、通常の25パーセント以上割増で賃金を支払うことが義務付けられています。
さらに、22時から次の日の朝5時までの深夜労働の場合も割増率は25パーセントです。
したがって、残業時間と深夜労働が重なった場合は、割増率は50パーセントになります。
□まとめ
派遣社員の労働時間、残業の有無、残業代の計算方法について解説しました。
1週間で40時間、1日8時間を超えた労働時間は残業と見なされ、割り増しされた給与が支払われます。
残業を断れるかどうかは、就業条件明示書や派遣会社と労働基準法36条の協定を結んでいるかどうかを確認すると良いでしょう。