最近では第二定年という言葉をよく耳にしませんか?
「聞いたことはあるけどあまりよくわからない」という方も多いかと思います。
無期雇用とも深く関わっているこの言葉は、派遣での仕事を考えているなら知っておいた方が良い言葉です。
そこで今回は第二定年について詳しくお伝え致します。
□第二定年とは?
第二定年とは一言で言うと、企業が定める2つ目の定年ということです。
つまり、第一定年が60歳だとすると、そのあとに作られるもう1つの定年ということになります。
例えば、第一定年は60歳で第二定年は70歳といった具合ですね。
企業によっては75歳に設定している場合もあります。
ただ、どうしてこんな制度を作っているのでしょうか?
このような制度ができた裏には複雑な事情があるのです。
□なぜ第二定年が作られたの?
第二定年が作られた理由としては、無期雇用転換が関わっています。
通常、無期雇用には2つのルールが定められていて、
1、期間の定めのある労働契約で雇用する従業員のうち、通算契約期間が5年を超える従業員は、別に定める様式で申込むことにより、現在締結している有期労働契約の契約期間の末日の翌月から、期間の定めのない労働契約での雇用に転換することができる。
2、無期労働契約へ転換した従業員に係る定年は、正社員と同様の満60歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。
とあります。
つまり、「5年以上派遣会社で期限付きの労働をすると無期限の契約を結ぶことができるけど、その人は60歳が定年ですよ。」ということです。
ただ、ここで問題が生じます。
5年以上派遣会社で期限付きの仕事をしている60歳以上の人は無期転換すると何歳に定年なのか定められていないのです。
結論から言うと、その人たちに定年はなく、いつまでも働き続けることができます。
70歳でも80歳でも、健康上の問題や解雇のタイミングがない限り職を手放すことはなくなるのです。
働く立場からすると嬉しい抜け道ですが、企業からすると労災が増えたり、生産性が下がったりと様々なリスクがあります。
そこで作られたのが、第二定年です。
第二定年を企業が定めることによって、60歳を超えて無期雇用に転換した労働者が定年する年齢を明示しているのですね。
□第二定年はこうして定められる
先ほども申し上げた通り、第二定年の年齢は企業によって様々です。
これらはどのような基準で定められているのか気になりますよね。
実は、何歳まで業務遂行できる仕事か?が1つの基準になっています。
そのほかにも、企業に60歳以上の従業員が何人いるのか?何歳が最高齢なのか?
そして、第一定年が何歳に設定されているのか?も基準になることがあります。
第二定年だけでなくて、第三定年を定めている企業もあるので、調べてみると良いかもしれません。
□再雇用とは何が違うの?
再雇用とは、60歳で定年を迎えてから5年の期限付きでもう1度雇うことを言います。
第二定年は無期雇用になった派遣労働者の定年の年齢を定めるものなので根本的に違った制度です。
また、定年での再雇用は満60歳の方が対象で、無期転換にならないような仕組みが作られています。
□無期転換して第二定年まで働いた方がいい?
無期転換すると契約打ち切りになるリスクもなくなるので嬉しいですよね。
また、60歳を過ぎても働き続けられると収入面でも安心かもしれません。
ただ、有期契約と比べて仕事が大変である点は懸念されているようです。
□まとめ
この記事では第二定年についてご説明致しました。
第二定年は無期雇用転換と密接に関わっていることがわかりましたね。
また、どのようなルールなのかについてもご説明致しました。
派遣社員として働く方には大切なルールなので、しっかりと覚えておいてください。