皆さんは、2013年に改正された労働契約法の内容についてご存知でしょうか?
あまりご存知でない方が多いと思います。
どのようになったのかを説明すると、5年を超えて働き続けた契約社員や派遣社員の方は、希望すれば「無期労働契約」に転換できるのです。
「無期」という言葉が魅力的に映る人もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、「無期労働」は「正社員になる」ということを意味しているわけではありません。
これを機に、労働契約法の内容を確認して、これからの働き方を見直しませんか。
今回は、無期雇用派遣と今までの派遣における違いをお伝えします。
【無期雇用派遣と今までの派遣の違い】
今までのような期間が定められていた派遣では、派遣先が決まった場合、派遣会社との間で定めた機関で雇用契約を結び、派遣先に就職します。
よく耳にする「登録型派遣」というやり方です。
それに対し、無期雇用派遣では、派遣会社と無期限の雇用契約を結びます。
その後、派遣先で就業し、業務を行うのです。
「常用型派遣」とも呼ばれるため、覚えておいてください。
このような無期雇用派遣では、派遣先における就業が終わっても、派遣会社との契約が残っているため、派遣先が見つかり次第、派遣先で就業します。
ちなみに、無期雇用派遣では、派遣先を選ぶことができません。
派遣会社が指定する派遣先に就業します。
意向を伝えることはできますが、必ず反映されるわけではないことを覚えておいてください。
仕組みだけでなく、待遇の面にも違いがあります。
1つ目は、収入面です。
登録型派遣では時給で給与が支払われていました。
それに対して、無期雇用派遣では、派遣会社の社員として雇用されるため、月給になります。
その上、派遣先が見当たらず、あまり就業できない時も定められた給与をもらえるのです。
勿論、何かしらの仕事は提供されます。
それでも、安定した給与をもらえるのは嬉しいですよね。
しかし、これは必ず良いわけではありません。
無期雇用派遣では、昇給の機会があまりないのです。
月給を上げてほしい場合は、派遣会社に交渉する必要があります。
高い時給の職場で長時間勤務されているは、登録型派遣の方が多い給与を貰えるかもしれません。
「月給になるけど、昇給の機会はほとんどない」
このことを覚えておいてください。
2つ目は、就業期間です。
先ほどもお伝えしましたが、無期雇用派遣では派遣会社に無期で就職します。
そのため、派遣先の就業が終わったからと言って、プライベートの時間を満喫できる時間が設けられないのです。
「無期」になりますが、同じ職場で長い間働けることはほとんどなく、派遣会社の指示に従って、派遣先を転々とすることのほうが多いと言われています。
このような実情があるため、派遣先企業ごとの風土に合わせる努力も必要です。
登録型派遣であれば、どこか特別な扱いをしてもらえたこともあるでしょう。
しかし、無期雇用になれば、派遣会社に勤める従業員の一員です。
「人間関係がうまくいかない…」や「仕事が苦手…」などの相談をしても、従来ほど柔軟な対応をしてもらえないことがあります。
月給を支給されている以上、指示された職場で我慢して働き続ける努力が必要となるでしょう。
ライフワークを考慮して、自分はどのように働くかを考えてみませんか。
今回は、無期雇用派遣と登録型派遣における違いをご説明しました。
無期雇用派遣の実例はあまりありません。
そのため、どのような問題があるのかが明確にできていない状態でもあります。
無期雇用派遣に興味がある方は、派遣会社に相談してみたり、いろんな媒体から情報を収集したりして、後悔しない勤務形態を選びましょう。