2015年に改正された労働者派遣法によって、無期の派遣社員契約ができるようになりました。
皆さんの中にも、無期雇用派遣を耳にしたり、派遣会社に登録するときに進められたりした人がいるのではないでしょうか。
「無期雇用って言っているし、それも良いんじゃないかな?」
このように思われた人もいるでしょう。
その判断をスグにしてしまうのは危ないです。
同じ無期雇用でも派遣社員と正社員とでは、待遇が大きく異なります。
何がどのように違うのかを把握してから、自分の働き方を考えませんか。
今回は、無期雇用派遣社員と正社員における待遇の違いをお伝えします。
【無期雇用派遣について】
「無期雇用派遣」
について説明ができる人は多くないと思います。
正社員との違いを知るためにも、無期雇用派遣とは何かを知っていきましょう。
派遣社員には契約期間が定められており、その期間が終了すれば、雇用関係も解消されます。
それに対し、無期雇用派遣では、明確な契約期間が存在しません。
無期限で派遣会社と雇用契約を結びます。
そうすることで、派遣会社の社員として採用され、様々な会社に派遣されるのです。
また、給与形態も異なります。
派遣会社と雇用契約を結ぶため月給制となるのです。
月給制になる事で、派遣先が見つからない時も給与が支払われるようになります。
派遣先は派遣会社が見つけてくれるため、仕事が見つからないブランク期間を不安に感じることはないでしょう。
つまり、派遣よりも正社員に近い働き方ができるのが、無期雇用派遣なのです。
【無期雇用派遣と正社員との違い】
先ほど、無期雇用派遣なら正社員に近い働き方ができると言いました。
しかし、全く同じではありません。
では、待遇面での違いを見ていきましょう。
無期雇用派遣と正社員との待遇で2つの大きな差が生まれます。
1つ目は昇給面です。
正社員に比べて、無期雇用派遣社員は昇給の機会がほとんどありません。
なぜなら、昇給を希望する際の交渉相手が派遣先ではなく、派遣会社だからです。
派遣会社によっては職場が転々と変わることがあります。
同じ時間働いても、仕事の大変さがまったく異なることもあるでしょう。
職場によっては、時給制であった派遣社員の方が多くの給料をもらえたかもしれません。
勿論、それらは派遣会社によって異なります。
人生を過ごしていくのにお金は欠かせません。
「無期雇用」という条件だけで、判断しないようにしてください。
2つ目は、雇用が安定していないことです。
無期雇用派遣社員は、「無期」ではありますが、正社員ほど雇用は安定していません。
契約解除されてしまう可能性も秘めています。
「無期雇用」という言葉に慢心してしまえば、契約解除の日が徐々に近づいてくるでしょう。
その通知が来ないように、モチベーションを保って仕事に取り組んでください。
しかし、そう簡単にはいきません。
そこには1つ目の差である昇給面がかかわってきます。
いくら頑張っても、そう簡単には昇給できないのです。
頑張りが認められれば、派遣先から直接雇用の提案をしてもらえるかもしれません。
しかし、その例はほとんどないのが現実です。
それ以外のメリットもありますが、このような差が待ち受けていることも把握しておいてください。
今回は、無期雇用派遣社員と正社員における待遇の違いをご説明しました。
これから無期雇用派遣社員を勧められる人は増えてくるでしょう。
「無期雇用」という甘い言葉に騙されてしまうと、後悔するような結末を迎えてしまうかもしれませんよ。
働き方は、あなたの人生を大きく左右します。
無期雇用派遣社員と派遣社員、正社員の違いを踏まえて、少しでも豊かな人生を過ごせる働き方を選んでください。
