皆さんの中にも、契約社員やパート社員といった雇用形態で働かれている方も多くいらっしゃるでしょう。
そのような方は、契約を更新しないと、同じ職場で働くことはできませんよね。
その状況では、「いつ契約更新してくれなくなるかわからない」といった不安にもつながるでしょう。
そのため、契約更新をせずに安定して働ける方法はないのかと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこでこの記事では、労働契約法の改正で可能になった無期雇用の5年ルールについてご紹介します。
■労働契約法について
無期雇用の5年ルールができたのは、労働契約法が改正されたことによるものです。
そこで、まず労働契約法について解説します。
労働契約法は、使用者と労働者の間の労働契約について基本的なルールを定めた法律のことです。
この労働契約法は、派遣社員や契約社員、パート社員といったような働き方が多様化されたことによって、必要となり制定された法律です。
実は、この労働契約法は2013年に改正されたのです。
そして、改正された内容の中に無期雇用の5年ルールに関するものがあるのです。
■5年ルールについて
なぜ5年ルールと呼ばれることがあるのが疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
その理由は、5年間同一の職場で働くことで、無期雇用への転換が可能になるからです。
しかし、単に5年間働けば、無期雇用が適用されるわけではなく、条件を満たす必要があるのです。
それでは、その条件がどのようなものなのかご紹介します。
〇雇用開始日
この5年ルールは、2013年4月1日以降に雇用を開始した場合にのみ適用されます。
つまり、最短でも2018年4月1日からしか5年ルールは適用されないということです。
そのため、この労働契約法の改正による5年ルールのことを2018年問題と言うこともあります。
また、注意してほしいのが雇用を開始した日からカウントするということです。
契約期間が2013年4月1日をまたがる場合は、次の契約を結んでから5年が必要ということになります。
〇クーリング
クーリングとは、退職や長期休暇などで無契約期間が一定期間以上続いた場合に、無契約以前の有期労働契約期間が通算対象から除外されることを言います。
つまり、クーリングがあると実際に5年働いたと思っていても、5年ルールの対象外になるのです。
■無期雇用のメリット
それでは、無期雇用になるメリットはどのようなことがあるのがお伝えします。
〇安定する
無期雇用になると、雇止めの心配も減り、安定した状態で仕事に取り組めるようになります。
特に、安定した状態は精神的な不安を減少することにもつながるでしょう。
やはり無期雇用は、実際に契約期間が過ぎると契約を打ち切られる有期雇用よりも安定感があります。
〇長期的に考えられる
契約更新の必要がある有期雇用の場合だと、どうしても契約のことが気になってしまいますよね。
しかし、無期雇用になれば、長期的な視点で自分のキャリアを考えられるようになる可能性があります。
また、長期的な雇用は、スキルアップはキャリアアップなど短期的な雇用では得にくいものが得られることもあります。
■まとめ
この記事では、労働契約法の改正で可能になった無期雇用の5年ルールについてご紹介しました。
無期雇用の5年ルールの内容についてご理解いただけましたか?
皆さんに5年ルールが適用されるのはいつなのか、把握しておくと良いでしょう。
また、無期雇用への転換にも様々なメリットがあります。
5年ルール自体新しい制度であるため、どう活用していくか迷うこともあると思いますが、皆さんの生活に欠かせない仕事に関係するものですから、様々な面から検討しておくことをお勧めします。