「労働者派遣法って何?」
「労働契約法について注目が集まっているのはなぜだろう」
労働者派遣法と労働契約法といった法律を耳にすることが多くなってきましたね。
この記事では労働基準法と労働契約法の違いについて理解するため、両者の概要や改正内容についてお伝えします。
目次
□労働者派遣法とは
労働者派遣法とは、派遣労働者の就業規則の整備や権利を確保するための法律です。
*なぜ労働者派遣法が注目されるのか
労働者派遣法は平成27年に大改正された法律です。
改正前後で主に3点大きく内容が変わり注目されました。
以下の3つが改正ポイントになっています。
*派遣事業が許可制に
改正によって全ての派遣事業が許可制になりました。
許可制にすることで労働者の安易な雇止めが防止されると期待されています。
*3年間の期間規制
派遣労働者は職種に関係なく、同じ業務に3年以上行ってはいけないという「3年ルール」が設けられました。
この規制によると、同じ課に同一人物が3年以上の派遣された場合、使用者にはその労働者を直接雇用する義務が発生します。
*雇用安定措置の実施義務化
派遣労働者がずっと派遣労働者として固定化されることを防ぐために導入された制度です。
具体的には派遣先の同じ課へ3年派遣された場合に「雇用安定措置」が義務付けられ、1年以上3年未満の場合に努力義務とされる制度です。
※「雇用安定装置」とは以下のいずれかのことです。
・派遣先への直接雇用の依頼
・新たな派遣先の提供
・派遣元での(派遣以外の)無期雇用
・教育訓練や紹介予定派遣など雇用の継続を図る措置
□労働契約法とは
労働契約法とは、労働紛争を防ぐために労働契約の基本的なルールを定めた法律です。
*なぜ労働契約法が注目されるのか
近年では就業形態が多様化してきました。
それに伴い、労働者の労働条件が個別に決定されるようになったことで個別労働紛争も増えています。
そして政府は紛争防止のために労働契約法を改正したのです。
改正労働契約法では、以下の3つのルールがポイントとなっています。
*5年ルール
まずは2013年に施行された改正労働法により、2018年から「5年ルール」が設けられたのをご存知でしょうか。
「5年ルール」とは有期労働者契約が更新され、通算で5年を越えた際に、労働者の申し込みによって無期労働契約に転換されるルールです。
つまり簡単に言えば「有期雇用から無期雇用に変わるチャンスを法律化した」ということです。
「5年ルール」は全ての企業が対象になります。
また労働者が条件に適している状態で無期雇用転換を申請した際に、使用者側は申請を断ることができません。
そして労働者は平成25年(2013年)4月1日以降に開始した有期雇用が通算5年を越えた場合、雇用期限内であればいつでも申請できます。
*「雇止め法理」の条文化
「雇止め」とは、有期雇用において労働の契約期間が終了する際に使用者側から更新を拒否されることです。
そして使用者による雇止めが認められない判例法理のことを「雇止め法理」と言います。
つまり「雇止め法理」の条文化とは、使用者側が一定の条件では労働者を雇止めできないことを法律に明文化したことを指します。
*不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者と無期契約労働者間において、期間の定めがあることによって不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。
□まとめ
労働者派遣法は派遣労働者の権利保障について、労働契約法は労働者契約の基本的な取り決めについて扱う法律でした。
内容は変わりますが、どちらも労働者の権利を守るために存在しています。
また改正された内容も労働者の雇用に直接的に影響を与える内容になっています。
労働者と使用者、双方が気持ちよく働けるように環境が整備されていくのは嬉しいですね。