皆さんの中にも、契約社員やパート社員といったような有期雇用の下で働いているという方もいらっしゃるでしょう。
そして、できるだけ安定した環境で働きたいと考えている方も多いでしょう。
そのような方は、労働契約法の改正によって、無期雇用に転換できるかもしれないということをご存知ですか?
この記事では、労働契約法の改正によって可能にある無期雇用の仕組みについてご紹介します。
■有期雇用とは?
まず、有期雇用についてご説明します。
有期雇用とは、あらかじめ働く期間が決まっている雇用契約を結んで仕事をするという働き方のことです。
この雇用契約で、期間を延長するためには、契約を更新する必要が出てきます。
そして、その契約の更新がいつ打ち切られてしまうのがわからないため、雇用者側からすると不安が大きくなってしまいます。
そこで、労働契約法が改正され、無期雇用が可能になる仕組みが作られたのです。
■無期雇用とは?
無期雇用とは、有期雇用と違い契約を更新する必要ながないため、長期的に働くことが可能になります。
そのため、無期雇用よりも安定して仕事ができ、精神的にも楽になるでしょう。
また、キャリアアップやスキルを身につけるといったことは有期雇用では得られにくいですが、無期雇用では長期的な働き方によって可能になります。
■労働契約法の改正とは?
ここまで、ご説明した有期雇用や無期雇用に深く関連するのが労働契約法の改正です。
労働契約法とは、使用者と雇用者の労働契約に関する基本的なルールを定めた法律です。
そして、その労働契約法が改正されたことによって、有期雇用から無期雇用への転換が可能になるのです。
それでは、労働契約法の改正された項目を見ていきましょう。
・無期労働契約への転換
・「雇止め法理」の法定化
・不合理な労働条件の禁止
これらの3つのルールが制定されました。
この中の、「無期労働契約への転換」が今回ご紹介している無期雇用に深く関連するものです。
この「無期労働契約の転換」は2013年4月1日より施行されています。
内容としては、2013年4月1日以降に開始した有期労働契約の通算契約期間が5年を超える場合に、有期契約労働者が無期転換への申込みをすることが可能になるというものです。
具体的にどのようなタイミングで申込みが可能になるのか解説します。
例えば、契約期間が1年の場合だと、1年間の労働を5回繰り返して、次に契約を更新すれば、無期労働契約の申し込みが可能になります。
そして、その契約労働期間が終了すれば、無期契約労働契約が始めるのです。
他の例として、契約期間が3年の場合を考えてみましょう。
この場合だと、最初の3年間の労働期間が終わり、次の契約更新をすると既に通算で6年の契約を結んだことになります。
そのため、無期労働契約の申込みが可能になります。
そして、無期労働契約の開始は、その通算で6年の労働が終了したタイミングになります。
注意してほしい点は、2013年4月1日以降に開始した有期労働契約からが対象になるということです。
そのため、それ以前に結んでいた有期雇用契約は、2013年4月1日をまたぐ場合にも無効になります。
また、契約がない期間が6か月以上ある場合をクーリングと呼び、その場合は再び働き始めた日からカウントして5年が必要になります。
■まとめ
この記事では、労働契約法の改正によって可能にある無期雇用の仕組みについてご紹介しました。
少し複雑な仕組みでもあるので、難しい内容だったかもしれません。
しかし、皆さんが今後の労働と向き合う際に重要な内容です。
是非、この記事でご紹介した有期雇用から無期雇用への転換の仕組みを把握して、将来の働き方に生かしてください。