皆さんの中には、定年後も嘱託などの形で会社で働き続けるという方もいらっしゃるでしょう。
そのような方に関係があるのが、有期雇用から無期雇用への転換です。
実際に今後、皆さんがどのように働いていくのかを決める重要な内容になります。
この記事では、無期雇用には定年が関係するのかどうかについてご紹介します。
目次
■有期雇用や無期雇用
まず初めに、有期雇用と無期雇用についてご紹介します。
有期雇用とは、契約社員やパート社員、嘱託社員といったような形での働き方のことを言います。
一定期間の雇用契約を結び、この契約を続けるためには、契約の更新が必要になるのです。
反対に、無期雇用とは契約の更新を必要としないということが特徴です。
そのため、長期的に働くことができるという傾向があります。
■無期雇用への転換
次に、無期雇用への転換についてご説明します。
2013年4月1日から、労働契約の方改正により、有期雇用から無期雇用への転換のルールが定められました。
そもそも、労働契約法とは、派遣社員や契約社員、パート社員といったような働き方が多様化したことによって、労働者と使用者の間に基本的なルールとして定められたものです。
この労働契約法が改正されたことにより、3つのルールができました。
・無期労働契約への転換
有期労働契約の更新が繰り返され、通算5年を超えたときに、労働者の申込みにより無期労働契約に転換できるルールです。
・「雇止め法理」の法定化
一定の場合に、使用者による雇止めが無効になるルールです。
・不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の違いを設けることを禁止するルールです。
この中で、無期雇用で最も重要になるのが「無期労働契約への転換」です。
5年の有期契約期間が無期雇用に転換するための条件ですが、少し細かい条件もあります。
それは、この5年をカウントするのは、2013年4月1日以後に結んだ契約が対象となることです。
つまり、それ以前に結んだ契約は2013年4月1日をまたぐ場合でも対象外となります。
また、クーリングと呼ばれる無契約期間が6か月以上続いた場合にも、無期雇用への転換の対象外となります。
その場合は、無契約期間の後に結んだ契約から通算5年の有期契約期間が必要です。
■特例がある
しかし、この無期雇用への転換ルールには特例があるのです。
その特例がどのような内容なのか見ていきましょう。
・専門的な知識や能力などを有する有期雇用労働者
有期労働契約の期間内に事業主から支払われる賃金の額が1年間あたりに換算して1075万円以上であり、専門的知識等を必要として、5年を超える一定の期間内に完了する業務に就く者が対象となります。
・定年に達した後、引き続いてその事業主に雇用される有期雇用労働者
定年前から継続して雇用されている者が対象です。
そのため、勤務先が特例に対しての準備をしていたら、無期雇用への転換はできないのです。
定年退職している場合には、無期雇用への転換ルールは適用されません。
そのため、契約更新を続けていく必要があるのです。
ただ、契約更新を続けて、長期的に勤めることは可能です。
■まとめ
この記事では、無期雇用には定年が関係するのかどうかについてご紹介しました。
前半には、無期雇用の仕組みについての内容でした。
労働契約法という法律が関係するため、難しい内容だったと思います。
無期雇用の転換ルールについてご理解いただけましたでしょうか?
そして、後半では無期雇用の特例についての内容でした。
専門的な知識等を有する場合や定年に達し後である場合は、無期雇用の転換ルールが適用されないということを知っておくと良いでしょう。
是非、この記事を将来の働き方に生かしてください。