皆さんは、派遣と請負の違いをご存知ですか。
派遣と請負は似ている部分も多くあるため、その違いについてイメージできない方も多いのではないでしょうか。
今後、派遣で働くことをお考えの方は、事前に両者の違いをしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
そこで今回は、派遣と請負の違いについて詳しく説明していきます。
□派遣の定義とは?
そもそも、派遣社員とはどのような人を指すのでしょうか。
派遣社員とは「雇用契約を結んだ会社とは違う、別の会社で働く労働者」のことを指します。
つまり、労働者が人材派遣会社と労働者契約を結んでいることが前提なります。
その上で、人材派遣会社が労働者派遣契約を結んでいる会社に労働者を派遣します。
この際、労働者は派遣先の指揮命令に従って働くことになっており、労働者に賃金を支払う会社と実際に働く会社が違うことを理解しておきましょう。
このような複雑な労働形態であるため、労働派遣法によって細かなルールが定められています。
法律上、派遣社員の雇用主はあくまで人材派遣会社であることを理解しておく必要があります。
そのため、万が一トラブルや事故などが起きた場合には、雇用主である人材派遣会社が責任を持って対応しなければなりません。
しかし、実際に働いている派遣先の会社がまったく責任を負わないというわけではありません。
労働者派遣法によって、責任を派遣元と派遣先とで分担する事項がしっかりと定められています。
□派遣と請負の違いとは?
この2つは似ている部分は多いですが、実は様々な違いがあります。
今回は、大きく2つの違いをご紹介します。
*目的の違い
まずは、目的がそもそも派遣と請負とでは異なります。
派遣の目的は、労働派遣契約に基づいて労働力を提供することでしょう。
つまり、働いた時間に対して対価を得ます。
ある派遣労働者が8時間働いた場合は、8時間分の時給を受け取ります。
一方で請負の目的は、請負契約に基づいて成果物を提供することになります。
事前に約束された成果物を達成することによって対価が受けられるため、正社員として働く感覚に近いでしょう。
つまり、何時間働いたかという時間ではなく、あくまで成果物に対しての対価であることを理解してください。
*指揮命令の違い
指揮命令を誰がするのかも異なります。
派遣の場合は、派遣先の会社が指揮命令権を持っていますが、請負の場合は請負会社が持っています。
また、派遣は指揮命令権を持つ会社と報酬を支払う会社が異なるため複雑な形態です。
一方で、請負は請負会社が指揮命令、報酬の支払いを共に行うためシンプルな形態と言えるでしょう。
□請負にない派遣のメリットを紹介
派遣には請負にはないメリットがあります。
1つ目は、給料が時給で安定している点です。
請負は成果物に対しての対価ですが、派遣は労働の時間に対する対価を受けられます。
そのため、安定した額の給料をもらいたい方は派遣の方が良いでしょう。
また、福利厚生が充実していることも派遣の利点と言えます。
最近では、しっかりとした福利厚生や教育訓練をサポートに力を入れているところも多くあります。
ただし、派遣会社によって福利厚生の内容や利用条件が異なるため注意しておきましょう。
さらに派遣であれば、社会保険に加入することも可能です。
社会保険に加入することで、年金の受け取りや保険料の一部を会社が負担してくれるなどの利点があります。
□まとめ
派遣と請負には、どのような違いがあるのかを理解していただけたでしょうか。
派遣社員として働く上で、仕組みやメリットを理解することはとても重要です。
働いてからトラブルに巻き込まれないよう、しっかりと両者の違いを理解しましょう。
派遣社員として働こうとお考えの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。